養子がいる場合の相続は?
亡くなった父(被相続人)には、母(配偶者)、私(長男:実子)の他に、養子が1人います。
養子がいる場合、相続はどのようになるのでしょうか?
税理士 石橋將年(いしばしまさとし)
相続の場合、養子は実の子供と同じように考えます。
ですので、法定相続分はつぎのようになります。
- 配偶者・・・1/2
- 長男・・・1/2×1/2=1/4
- 養子・・・1/2×1/2=1/4
養子は、相続の法律では、実の子供と同じように取り扱うこととされています。
また、養子は、「普通養子」と「特別養子」との2種類に分けられます。
それぞれご説明していきます。
普通養子と特別養子の違いについて
1.普通養子
普通養子とは、実の親子関係を残しつつ、他の方の子供になるということです。
一般的には、
- 高齢のお爺さまが、お孫様に遺産を残してあげたい
- 身寄りのない方が世話をしてくれた方に遺産を残してあげたい
といった理由で、養子縁組をされることが多いようです。
(もちろん、これ以外に様々な理由で養子縁組が行われています)
普通養子の一番の特徴は、「簡単な手続きで養子にできる」ということです。
本籍地の区役所等に、署名押印した届出書を提出すれば、養子にすることができます。
ですので、相続権がない方に、遺産を残してあげたいという方は、まずは遺言書を検討するのでしょうが、普通養子にするという選択肢もあるかと思います。
なお、普通養子になっているかの確認方法ですが、亡くなった被相続人の戸籍謄本を確認します。
- 「養子縁組日」
- 「養子の氏名:鈴木一郎」
- 「養子の従前戸籍:****」
上記のように、亡くなった被相続人の戸籍謄本には、誰を養子にしているかが表示されます。
表示がなければ、養子がいない、ということです。
また、当然ながら、養子になった側の方の戸籍謄本にも、同じように、養子になった情報が記載されます。
ですので、養子にした方、養子になった方、いずれかの謄本で養子の情報が分かります。
2.特別養子
イメージとしては、大変表現が悪いのですが、ご両親がいらっしゃらないお子様が、お子様がいらっしゃらない夫婦に引き取られる、といった場合が想定されます。
なお、特別養子の場合も普通養子の同じように、戸籍に養子関係である旨が記載されます。
(特別養子の方の場合は、特別養子の関係である旨が表示されてしまいます。この辺りは、分からないように配慮して頂きたいのですが・・・)
普通養子にしても、特別養子にしても、相続手続きにおいては、実子と同じように取り扱います。
ですので、遺産分割協議の話し合いには、養子も参加しなければなりませんし、養子を除いて話し合った遺産分割協議は無効となります。
養子が、実子と面識があれば良いのですが、ないという場合も、まれにあります。
理由があって養子にされる場合は、最低限、実子の方とご面識がある方の方が、後々のトラブルがなくて良いと思います。
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