定期顧問
1.定期顧問サービス
(1)サービスの概要
弊事務所では、不動産オーナー様のための定期顧問サービスを行っております。
不動産をお持ちの方のお悩みは様々ですが、「税金」という一番難しい問題を切り口に、様々なご相談をいただき、ひとつひとつ解決していきたい、そのような思いから、定期顧問サービスをご提供させて頂いております。
次のような方はご相談ください。
- 毎月でなくても良いので、年に数回来訪してもらいたい。また急ぎのときは電話でも相談に乗ってもらいたい。
- 不動産を所有しているが、税金が高すぎるので安くする方法を一緒に考えて欲しい
- 経費の支払いを削減したいが、どこから手をつけて良いものか分からない
- 借金の返済が私の代で終わるか不安だ。繰り上げ返済ができるか試算してほしい
- 空き室が目立ってきた。部屋を埋めるためのアイデアを一緒に考えて欲しい
- 不動産を息子たちにどう継がせればよいか悩んでいる。
- 親から相続した土地があり、そのまま他人に貸すか、自分でアパートを建てるかで悩んでいる。
- 複数ある不動産のうち、いくつかを売却しようと思うが、どこから売却すれば一番手元にお金が残るか相談したい
- 最近やたらにアパート屋根に太陽光発電設備をつける営業電話がかかってくる。本当に得なのか判断に悩んでいる。
2.問題解決のために
(1)問題点の確認から解決まで
不動産オーナー様には、様々な問題が山積しているかと思いますが、まずは問題を認識することから始まります。問題というのは、それが長期間続いていればいるほど、問題とは認識できないものです。
家賃が下がり続けている、空室率が多い、家賃の不払いが続いている等々・・・。まずはご相談いただき、オーナー様の悩みを整理して、できれば紙に箇条書きにして問題点を整理します。その後、ご一緒に解決まで考えます。
実際にご相談いただいた事例として、次のようなものがあります。
(2)具体的な解決例
1-お金がたりない原因分析とその対策
顧問先様は数棟のアパートをお持ちの方です。毎月家賃収入が入ってきますが、それがそのまま借入金返済に消え、手元にお金が残らない状態とのことです。
そこで、まずは不動産収支分析表を作成しました。すると、確かに入ってきた家賃のほとんどが、借入金返済と経費支払いと生活費で消えていました。
そこで、まずは家賃収入を下げることを考えました。オーナー様は「一度家賃を下げてしまうと、なし崩し的に下げなければいけない。だから下げたくない」とお考えのようでした。
しかし、まずは当面の収入をアップさせなければなりません。家賃を数パーセント下げ、なるべく空室率をさげていただきました。実行前は、いずれも空室率が20%以上あったのですが、引き下げにより平均して10%前後となって稼働率が高まり、結果として家賃収入が若干アップしました。
次に経費の削減です。まずは管理費の削減です。管理会社と交渉していただき、見回り回数を減らす代わりに、管理料も減額していただきました。また、物件がご自宅から近かったため、廊下清掃等は業者に任せず、ご自分でしていただくようにしました。
そして、不動産専用通帳を作り(1物件に1冊)、そこで全ての収入支出管理をしていただくことにより、物件毎のお金の管理もできるようになりました。
2-不動産投資のアドバイス
ご相談は土地持ちの方からでした。先祖代々の土地があり、現在は未利用とのこと。不動産会社の営業担当が自宅を訪れたそうです。その営業担当が「30年間家賃保証でアパートを建てませんか?相続対策にもなりますよ」とアパート建設を勧めてきたといいます。
大手不動産会社が自社施行で物件を建てさせ、その代わりに一括で借り上げ、家賃を30年間保証する、一般にサブリース方式と呼ばれる仕組みです。しかし、そんなうまい話があるのか、弊事務所にご相談がありました。
不動産会社が作成してきたという収支計画表を見せて頂きました。気になったのが経費の数字です。まず、通常20年程度経過した際に行うであろう大規模修繕費が入っておりません。その他の諸経費も甘めに見積もってありました。
お客様には、その旨と、サブリース方式のデメリットをご説明しました。
まず、30年経過後の入居者の質、ということが挙げられます。不動産会社は自社で借りている期間、最大限収益をあげようと、多少問題がある方までも入居させてしまいます。30年経過後は、不動産収オーナー様が、それらの問題ある入居者まで引き継ぐのです。
素人である不動産オーナー様に、それらの入居者を御することができるのでしょうか。
また、本当に30年間定額の家賃を保証してくれるのか、ということも考えなければなりません。オーナー様は「契約書に毎月***万円で30年間と書いてあるよ」とおっしゃいます。しかし、判例(過去の裁判例)で、経済状況が激変した場合には家賃の改定はやむを得ない、という判決が降りていますので、今以上に不景気になったら、減額されてしまう可能性はゼロではありません。
さらに、建築物件のグレードも問題です。収支計画表には建物の予想固定資産税評価額と予想固定資産税額が書いてありました。それから逆算すると、業者に支払う建築費は、単純計計算で通常よりも2割~3割高いことになります(業者は家賃保証する代わりに、ここで利益をとるので仕方ないのですが)。入居者は下見に来たときに細部までチェックします。資産価値としてはマイナス材料となります。
これらの問題点をお伝えし、相続税の試算もしたところ、相続税は高額にならずにすみましたので、当面は駐車場として運用していただき、不要なリスクは避け、時期をみて
ご判断いただくことになりました。
3-不動産の売却益と売却損とを通算
顧問契約により、年数回訪問しているお客様でのお話です。複数の土地をお持ちで、そのうち、先祖代々の土地を諸事情により手放すことになりました。売却価額は約5,000万円です。
土地を売却した場合、長期間所有していたものであれば、売却価額から取得価額・諸経費を引いた利益に、20%の税金がかかります。そこで、取得価額から調査を開始しました。
まずは、土地の登記簿謄本を確認。先祖代々の土地のため、閉鎖されている謄本も取り寄せて確認したところ、昭和以前から所有していることが確認できました。土地の取得価額は、特例である「売却価額×5%」を使う方が有利ということが分かります。
そうすると、売却価額のほとんどが利益になり、約1,000万円程度の税金が発生してしまいます。
そこで、次回のご訪問時までに、「お持ちの土地で、現在使われていない土地で、値崩れしているものはないか、調べておいてください」とお願い致しました。土地の譲渡損失は、平成16年の税制改正により廃止となったため、不動産所得や給与所得と通算することはできませんが、同じ譲渡所得内であれば、通算は可能です。そのため、利用価値が低く、値崩れしている土地はありませんか?とお尋ねした次第です。
そして、暫く後にご訪問したときに「バブル時に購入した未利用の土地がある」とのご回答をいただきました。この土地は、地方にあり、利用価値が低く、売っても二束三文になりそうでした。しかし、相続税評価額は結構高めです。
購入時の契約書、領収書等を見せていただきました。そうすると、3,000万円程度で購入されておりました。(この土地の売却価額予想価額は約1,000万円程度)そうなると、この土地を売却することで、約2,000万円の赤字をつくることができ、約400万円の節税につながります。そのため、売却することをご提案しました。
その結果、上記の400万円の節税だけでなく、未利用土地の固定資産税削減や相続税節税もつながりました、お客様にご満足いただけました。
3.報酬・費用
費用ページの「定期顧問」をご覧ください。