税理士 石橋將年(いしばしまさとし)
暑い日々が続いております。今回は、入居者の審査について、ご説明します。
入居審査の時に必要資料を提示してもらいましょう
不動産オーナー様は、建物への入居申し込みがあった場合、お手続きはご自分でなさらず、不動産会社に丸投げとなっている方が殆どだと思います。しかし、果たしてそれで良いのでしょうか。真面目な方が入居され、家賃がきちんと入金されれば、何も問題ありません。極端な話、賃貸契約書なんか作らなくても良いかもしれません。しかし、そうはいかないのが世の常です。
万が一に備え、入居者審査をきちんとしましょう。そうすれば、家賃滞納等のトラブルを未然に防ぐことができますので。
入居予定者から、どのような書類をもらうべきでしょうか。住宅用、事務所用と書類が異なりますが、事務所用物件ですと、一般的には次の書類になるでしょう。
- 収入証明
- 会社の決算書
- 会社の経歴書
- 連帯保証人の情報
注意点を挙げたら、きりがありませんが、少なくとも収入証明は、源泉徴収票だけでは不足です(簡単に偽造できます)。課税証明書(役所発行)が欲しいですね。納税証明もあれば、さらに安心ですね。
会社の決算書もチェックしましょう。数字が分からなければ、税理士等にチェックをお願いすべきです
連帯保証人についてもきちんと調べましょう
連帯保証人の情報も大切です。家賃不払い時は連帯保証人に請求しますが、年金暮らしのおばあちゃんでは、支払ってもらえません。経済力のある方にお願いすべきです。なお、連帯保証人は必ずつけましょう。保証会社をつけるという選択肢もありますが、費用面がネックです。連帯保証人であれば、直接連絡して迅速に対応出来ます。
他にもチェック項目は色々あります
これらの資料を集め、検討します。入居予定者が会社であれば、「売上が急に上がっているが粉飾していないか」、「会社の株主はきちんとした方々か」、「役員報酬が高額だが未払になっておらず支払われているか」「代表者の経歴はきちんとしているか」。これらをまとめ、総合的に判断する必要があります。それには、経験が必要です。
不動産会社の中には、早く入居させて仲介手数料をもらいたい、それしか考えていないところもあります。その後のトラブル(家賃不払い等)は、家主が被害を受けるのです。そのため、損得を考えず、熱心に対応し、経験豊富な社員が在籍する不動産会社に依頼することが大切です。(その不動産会社を探すのが大変なのですが)
不動産オーナー様の方も、不動産会社に任せきりにしないで、ご自分で勉強すべきです。そして、不動産会社の対応に不満であれば、どんどん意見を出すべきです。それにより、不動産会社の方も成長します。(意見を聞いてくれなければ、別の不動産会社を探せばよいのです)
トラブルがあったら、被害は家主負担です。くれぐれも入居者審査を不動産会社任せにしないことです。
※本記事に関する無料相談はお受けしておりません。あらかじめご了承ください。